腸内環境の改善はアレルギー体質の改善に有効ではありますが、しかしながら、時間がかかります。気長に取り組まなければなりません。一方で、炎症を抑える働きがある栄養素も次々に発表されています。このような栄養素を積極的に摂ることも心がけるといいでしょう。
とくにアトピーで注目されているのが「ビタミンD」です。本来、ビタミンDは体内で合成することが可能なため、不足することはあまりないと考えられてきました。摂取量の上限値も設けられている脂溶性ビタミンの一種で、私が栄養学を学んでいた頃はむしろ過剰摂取に注意しなければならないタイプの栄養素でした。ところが最近の研究では、ビタミンDの多様な機能が発見され、とくに過剰な炎症反応を抑制する方向に免疫を調整する作用が注目されています。ビタミンDの必要量は個人によって大きく異なる可能性があり、これまで設定されてきた上限値は、もっと幅をもったものに見直される可能性も出てきました。
さらにミネラル、とくに「マグネシウム」の補給は、かゆみや炎症の原因物質であるヒスタミンが細胞から放出されるのを抑える働きがあるとされています。消化酵素の働きにも関わっているため、鉄やカルシウムと同じようにもっと注目されるべきミネラルだと言えます。
この他にも、さまざまな栄養素がアレルギー改善に有効であると発表されています。名前も機能も耳慣れない斬新な栄養素もありますが、しかし、多くは上記2つの栄養素のように、これまでにも知られている栄養素による免疫での新たな機能の発見です。そして、その機能を有効にするためには、一時的にでも多量の摂取が改善につながることもわかってきました。日頃から不足しないよう食事に気を付ける一方で、症状が重くなった際には、食事だけとれる量では足りず、高容量のサプリメントを利用する必要も見えてきているのです。