胆汁の分泌量の減少は、腸内環境を悪化させ、便秘やアレルギー症状にも繋がります。肝臓の働きを支え、胆汁の分泌を促す働きをもつ栄養素に「タウリン」があります。アミノ酸の一種で、私たちの体内にも多く存在し、さまざまな組織で働いています。人体にはタウリンを合成するしくみがあるため、食事で摂った栄養をもとに賄うことができますが、不足すると細胞や組織の新陳代謝が低下してしまいます。とくにタウリンが多く存在する目の組織障害や、肝機能の低下、ひいては動脈硬化や心臓病などにも繋がってしまう危険性があります。また神経伝達物質としても働くことがわかっていて、自律神経や免疫のバランスを整える作用もあるとされています。
(写真:イカ)
[おすすめ食材:イカ、タコ、貝類]
タウリンは、過剰摂取の危険性は低いとされていますが、摂取量の目安としては1日500mg程度という数値があります。主にイカやタコ、貝類などに多く含まれていて、さきほどの量で換算すると、イカやタコならだいたい180gくらいになります。しかし、他の肉や魚などのタンパク源からも合成できるので、バランスのとれた食事のなかにイカやタコ、エビ、貝類などを30〜50gほど組み込んでいれば体内のタウリン合成を十分にできるでしょう。
熱に強いため、食材を加熱調理しても摂取することができますが、水には溶けやすいので調理で出た出汁まで残さずに頂きたいものです。