●知っておきたい栄養素① 塩分

胃液に含まれる胃酸とは、物質名でいうと「塩酸」です。胃液に含まれる塩酸を増やすことが、強い消化力や殺菌力をもたせるポイントになります。 

塩酸は化学式にすると「HCl」となり、水素(H)と塩素(Cl)が必要です。水素は体内の水と二酸化炭素によって得られます。塩素は食べ物に含まれる塩分が原料になります。したがって、強い胃散を作るには食事で摂る塩分が欠かせません。塩分の多い食事が長期間にわたると血管を硬くし高血圧や腎臓病の原因となるため注意が必要ですが、塩分が少なすぎると体の抵抗力も落ちてしまうのです。 

 

[オススメ食材:梅干し] 

胃酸分泌を狙った塩分補給においては梅干しがオススメです。塩分だけでなく胃液の分泌を促すクエン酸も含まれています。 

梅干しを口に含むと、皆さんも思わず唾液が出てきた経験はないでしょうか? それに応じるように胃までが動き出します。塩分と酸が胃酸分泌を促し、停滞した胃の活動を刺激してくれます。 

梅にはもう1つ、ピロリ菌から胃を守る成分も含まれています。本来、酸性の環境である胃の内部では、生き続けられる菌は少なくほぼ無菌状態なのですが、中には酸性に対する耐性をもち棲みつくことができる菌があります。その代表例が「ピロリ菌」です。 

ピロリ菌は胃粘膜形成を阻害し、胃潰瘍や胃がんの原因にもなる恐ろしい菌です。現代人の多くにピロリ菌感染があると考えられていて、検査と殺菌が推奨されています。 

胃酸分泌が低下している人の胃では、より活動的になり繁殖力も増します。胃酸の少ない人はピロリ菌の脅威にもさらされていることになるのですが、梅にはピロリ菌の活動を抑える「梅リグナン」が含まれています。大きさにもよりますが、1~2日に1個程度の梅干しを食べるようにすると、胃を守りながら胃酸分泌を増やしていけます。 
 

※日本人の食事は塩分が多くなりがちなので、塩分の少ない梅干しを利用すると良いです。 
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