生活圏に応じた対策を

最後にもっと範囲を拡大して、居住エリアから受ける因子への対策についてお話します。 

各地域にはその土地が持つ様々な特性があり、そこに住んでいる人間は少なからずその影響を受けています。 

特に差があるものに水道の仕組みがあります。水の利用は土地ごとに様々で、湧き水を使っているところもあれば川から取水しているところもあります。井戸を掘って地下から取っているところもありますし、湖から取っているところもあります。 

水源の違いは当然、水質の違いにもなり土地ごとに水の成分は微妙に異なります。水道を通じて供給される水は衛生的である必要がありますから、水の成分は常に監視されていて、必要に応じて殺菌のための塩素処理が加えられ配水されます。元々の水の成分が土地によって違いますから、土地ごとに塩素濃度は異なります。 

実は、この塩素処理によって発生した水道水中のトリハロメタンが、アトピー性皮膚炎などアレルギー体質形成発症に関与していると指摘する声は少なくありません。トリハロメタンとは、原水(水道水に使用するために採取した水)に元々含まれていたものに、塩素が反応することでできる化学物質です。 

トリハロメタンが体内に多く入ると、腸内環境を悪化させたり発ガン性もあると指摘する人もいます。 

普段利用している水の塩素濃度が高いと思われる方は、浄水器などを使ってトリハロメタンの除去をされると良いです。 

また、水だけでなく空気も土地によって異なります。都市部や工業地帯の近隣では、交通や工場排気などによる大気汚染が発生しやすいですし、近年では外国から運ばれてくるPM2・5も関心を呼んでいます。 

大気汚染物質もアレルギー発症に関わっていると考える医師や研究者は多く、特にディーゼルエンジンから排出される物質や排気が呼吸によって体内に取り込まれ、アレルギーを誘発するのではとされています。幹線道路近くに住んでいる場合は、空気清浄機などを利用した方が良いです。 

これらのような居住エリアから受ける因子については、思い当たるものがあれば気をつけてください。 

しかしながら、これらの完全な排除は難しいのも実状です。あまり神経質になっても生活できませんし、ほどほどに心がける程度で、かつ可能な範囲で行うのが良いと思います。 
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