いわゆる「ちょっとしたことで皮膚が荒れる」という体質を持つ方にあたります。皮膚の敏感さは、皮膚の組織やバリア機能、またそれを司る神経の働きに問題があることが原因となって、結果的に外からの刺激や侵入を受けやすいことによって導かれます。主に下記のような素因が原因につながっていることが多いです。
・遺伝的に皮膚の組織やバリア機能形成で問題が発生しやすく刺激を受けやすい
近年話題になった「フィラグリン遺伝子の変異によるもの」が例に挙げられます。皮膚組織の構成成分の1つであるフィラグリン(角質層で潤いを守る成分のもとになるもの)の形成ができない、あるいは少ない方です。
・自律神経バランスの乱れやホルモン分泌の変化などから皮膚の組織やバリア機能の形成過程の中で問題が生じ、刺激を受けやすくなっている
皮膚組織の新陳代謝は血中を流れるホルモンを受け取ることで行われます。したがって血管や血流の状態、ホルモンの分泌量などが重要になります。これらは男女差が大きく、特に変動の大きい女性ホルモンに新陳代謝を支配されている女性は、その影響で男性よりも皮膚に問題が起きやすいとされています。ホルモンバランスは年齢によっても異なり、思春期や更年期など、ホルモンバランスが大きく変動する時期に突然敏感肌になる人もいます。
また、ホルモン分泌は、自律神経と深く関わっていて、その影響を大きく受けます。たとえば、ストレスや運動不足、睡眠不足、季節の変わり目に訪れる急激な温度変化などによって自律神経バランスが乱れると、ホルモンの分泌も変動して、肌が乾燥したり敏感になったりします。
●皮膚に必要な栄養が足りていない
排出器官でもある皮膚は、摂取した栄養状態が表れやすい場所でもあります。主な構成成分であるタンパク質はもちろんですが、細胞の代謝に必要なビタミンやミネラルが足りない場合でも症状として顕著に表れます。また、現代人の食生活は摂っている油脂の質が偏る傾向があり、これも細胞の質を悪くして炎症が起きやすくなっている、との指摘もされています。
(「免疫力を整え健康肌を手に入れる! アトピー克服のためにも知っておきたい14の栄養素 」より)