カロテノイドとビタミンAは違う物質

カロテノイドは、もともと植物が作り出す色素成分です。自然界にはおよそ750種くらいのカロテノイドがあるともされています。カロテノイドを含んだ植物を食べるとその動物の体内にも蓄えられることがあるため、私たち人間にとっての食物としてカロテノイドを含むものは植物性のものも動物性のものもあります。
黄色や赤など、カロテノイドは様々な色素のもとになっていますが、これらのなかには人間の体内の細胞を守る働きがあるものがあり、アレルギーにおいてもその機能が注目されています。
カロテノイドのなかには食物成分として体内に摂取されたあと、ビタミンAという物質にも変換されるものもあります。このようなものを「プロビタミンA」とか「ビタミンA前駆体」などと言います。カロテノイドのすべてがビタミンAにかわるわけではありませんが、一般にβカロテンと呼ばれる野菜によく含まれるカロテノイドは、ビタミンAに変換されるため、摂取を心掛けるよう勧められます。ビタミンAに変わる性質をビタミンA活性といいます。
VA欠乏には小腸での吸収に関与する酵素BCMO1(β-carotene15,15’-monooxygenase)の遺伝子変異により、低VA状態になることが示されています(J. Nutr. 137: 2346?2350, 2007.)。
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