1:ヒスタミン

どんなタイプのアトピーにも介在する「ヒスタミン」
 アトピーを治そうと考えたとき、最初に考えるべきなのは患部の炎症を抑える成分をとることです。アトピーの患部では、タイプによって主役となって働いている細胞なり分子なりが異なっていますが、総じてどのタイプのアトピーにも必ず存在し悪さをしているものに「ヒスタミン」という物質があります。
 ヒスタミンは私たちの体内で合成される物質で、体の恒常性を保つために必要なものですが、時として過剰に働き、体の細胞や組織に炎症をもたらして健康を害します。代表的な状態がいわゆるI型アレルギー反応による症状で、花粉症や食物アレルギーなどが挙げられます。アトピー性皮膚炎はI型アレルギーとIV型アレルギーが単独あるいはミックスした状態とされていますが、いずれのアトピーでも患部の炎症にヒスタミンは関わっています。

ヒスタミン炎症ルートを断つ抗ヒスタミン物質
ヒスタミンによる炎症を抑えるには、ヒスタミンの産生や放出、結合など、ヒスタミンが炎症を導くルートのどこかを阻止することが必要で、このような働きを「抗ヒスタミン作用」といいます。抗ヒスタミン作用があれば抗炎症作用をもつことになり、ほぼ同じ意味のように使われることもあります。
 抗ヒスタミン作用をもつ物質はこれまでに数多く発見されていて、皮膚炎を治療する塗り薬や、風邪薬にも配合されています。動物や植物がもつ成分のなかにも見つかっていて、こういった成分を食物として摂取することでヒスタミンによる炎症が抑えられることも確認されています。近年ではI型アレルギーで生活に支障をきたす人が増え、薬ではなく、食事でとる成分の自然な抗ヒスタミン作用でアレルギー症状を緩和したいと考える人が増えてきました。こうした流れから食物成分の抗ヒスタミン作用についても多くの研究がなされるようになり、優れた効果を発揮するものも次々に発見されています。

野菜は抗炎症食材
自然界に存在し、食物成分として摂取できる物質で抗ヒスタミン作用をもつものは多く発見されていますが、中でも注目されているのが、植物がもつフラボノイドのうちのひとつ、ポリフェノールです。ポリフェノール自体が高い抗酸化作用を持っているので炎症を抑える力があるのですが、さらに抗ヒスタミン作用をもつものも少なくなく、アレルギーをはじめ、ヒスタミンの過剰な働きを抑える必要がある症状をもつ人は、野菜など植物の栄養成分を積極的にとることが推奨されています。
 さらにポリフェノールのうち、特に強い抗ヒスタミン作用をもつ物質についても研究されており、下記のような研究結果が発表されています。
摂取すればヒスタミンの働きを抑えることに繋がり、ヒスタミンによる炎症を減らすことができます。

ヒスタミンが必要以上に働いてので、まずはヒスタミンの作用を抑える成分を摂ることがオススメです。
アトピーの炎症は患部に集まっている免疫細胞や、免疫細胞から放出された化学物質などによって起きています。患部の免疫細胞の過剰な
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