腸管内のカンジダが、アレルギーの悪化に関わっている

マラセチア菌の他に、もうひとつ、近年、アトピーをはじめとするアレルギーに関与していると考えられている菌に「カンジダ」という真菌があります。カンジダも、ありふれたカビ菌で、どこにでもいます。さして悪さもしない、共存できる菌だと考えられてきましたが、近年、このカンジダが人体に棲み付くことによる様々な悪影響について多くの報告や発表がされています。特に注目されたのが、平成26年、「抗生物質の服用によって増殖した腸内の真菌(カビ)が喘息を悪化させるメカニズムを世界で初めて解明し、マウスを使った実験により喘息を軽快させることにも成功した」という、筑波大学と科学技術振興機構の共同で行われた発表です。
抗生物質の服用によって腸内環境が影響をうけることは知られていましたが、ここにカンジダが繁殖、プロスタグランジンE2という物質を生成して、肺に存在するマクロファージを活性化させ喘息を起こす、というのです。
腸管内のカンジダが、アレルギーを重篤化させるメカニズムがはじめて明らかになったのです。この発表の表題には「ぜんそく」とされていますが、内容のなかでは、花粉症やアトピーについても触れられており、今回、喘息を軽快させた方法と同様の薬剤の投与が有効と考えられる、と述べています。
抜粋:
ヒールファクターズ・ラボ著「アトピー考察ノート」第3章:アトピーの原因としくみ より

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