胃は精神状態や睡眠不足など、ちょっとしたストレスでもその影響を受けやすいデリケートな器官でもあります。そもそも胃の健康状態は、実に絶妙なバランスのうえに成り立っています。強酸である胃酸が胃を溶かさずにいられるのは、胃の内側を粘膜が覆っているからで、この胃粘膜の形成がストレスや疲労などによって影響を受けやすいため、胃粘膜がうすくなって胃の内壁が荒れてしまうなどのトラブルが起きてしまうのです。胃酸分泌の弱さは補強すべきですが、それと同時に胃粘膜のケアも忘れずに行うべきなのです。
胃や胃粘膜を保護する栄養素には「キャベジン」があります。胃粘膜の荒れが進行すると炎症や潰瘍となって深刻な症状につながっていきますが、キャベジンにはこれを修復し胃壁を丈夫にする働きがあります。名前のとおり、キャベツから発見された成分で、物質名としては「S-メチルメチオニン」を指します。ビタミンと似た性質をもつことからビタミンUと呼ばれることもあります。キャベジンにはもうひとつ、アレルギーの人にとって注目すべき作用があります。それは、かゆみや炎症を起こす物質であるヒスタミンの放出を防ぐ作用です。胃を保護しながら、かゆみを抑える働きをもつキャベジンはぜひ積極的に摂りたい栄養素です。
[おすすめ食材：キャベツ]
キャベジンビタミンUを摂るに多く含む食物としては、やはりキャベツが一番効率的な食物有名ですね。
キャベジンビタミンUは、水溶性で、加熱にも弱いという性質があるので、生のままサラダにして食べたり、加熱調理するなら短時間で仕上げるようにします。キャベツに含まれる水分をできるだけ逃がさないのがポイントになるので、ジューサーでスムージーにするのもオススメです。キャベツの辛味が気になるならリンゴなど加えると飲みやすくなります。作り置きはせず、作ったらすぐ飲みましょう。１日にキャベツの葉1〜2枚食べれば、毎日の胃のけあには十分なキャベジンが摂れます。キャベツにはビタミンCも豊富で、他にカルシウム、ビタミンK、アミノ酸のリジンやトリプトファンも含まれています。
