小腸がすでに傷ついていたり弱っている場合に、それを修復する働きを持つ栄養素をご紹介しまです。
まず、小腸の修復を促す場合、小腸の細胞のエネルギー源となる栄養を摂り、新陳代謝を促進して回復を進めなければなりません。小腸の細胞がエネルギーにするのは、「グルタミン」という栄養素です。
グルタミンと聞くと、うまみ成分のひとつであるグルタミン酸を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、ここで挙げているグルタミンはグルタミン酸とは別のものです。グルタミン酸とアンモニアに酵素が加わることでグルタミン酸が生成されますし、どちらもアミノ酸で似た物質だといえるのですが、構造が少し異なっていて、体内での役割も違います。
グルタミンは体内に存在するアミノ酸のなかでは最も大きい割合を占めるので、人体の組成成分としてはありふれた物質ですが、筋肉や腸の細胞の新陳代謝に必要なので、不足すれば筋肉や腸の運動が弱まってしまいます。とくに激しい活動や運動をする人では筋肉組織の修復が必要で、食事からとれるグルタミンだけでは追いつかないため、グルタミンを添加した食品を摂ることで回復が早まります。また、腸内に炎症や潰瘍がある場合も、グルタミンを摂ることで腸壁細胞の修復に使われることで、回復が早まります。腸内細菌叢が悪化し薄くなった腸内は損傷してしまう箇所も多くなるため、グルタミンの補給によって修復することが大切です。
[おすすめ食材:魚のさしみ]
グルタミンは比較的多くの食品に含まれますが、加熱によって変性してしまうので、食材を非加熱で摂る必要があります。そこで魚のさしみが最も効率的だと言えます。毎日というわけにもなかなかいきませんから、週に1~2回くらい主菜や副菜として献立に組み込んでみてください。さしみのほかにも、他にも牛乳やチーズ、トマトなどからも摂ることができます。
(写真:マグロの刺身)