肝臓の働きを促進する栄養素としては「ケルセチン」も注目されています。ポリフェノールの一種で、肝脂肪の代謝を促進して、肝機能を高めます。肝臓の働きがよくなると全身の脂肪の代謝もすすむので、ダイエット食材としても注目されています。また、アレルギーの人にはケルセチンの高い抗酸化作用も見逃せません。アレルギー症状では、炎症が体内で発生する際に活性酸素が発生し、これがまた細胞を傷つける要因として働きます。ケルセチンはこの活性酸素の働きを強力に抑える働きがあるのです。炎症を起こす物質ヒスタミンの放出を抑える働きもあり、積極的に摂りたい栄養素です。
[おすすめ食材:タマネギ]
ケルセチンを含む代表的な食材としては、タマネギが挙げられます。ケルセチンそのものは黄色の物質で、タマネギのなかでも外側の茶色い皮に特に多く含まれています。主に食用とされる内側の白い部分にもケルセチンは含まれていますが、近年はケルセチンの様々な作用が注目され、タマネギの皮のほうを商品にしたものも販売されています。
ケルセチンは、熱に強く、加熱調理された食材からも摂取することができます。また脂溶性であるため、油を使った炒め物や、油脂を含んだ食材(肉や魚、ナッツ類など)と一緒に摂ることでより吸収力が上がります。
(写真:タマネギ)
また、玉ねぎには血液をサラサラにしたり、解毒処理も助ける硫化アリルがあることで知られています。ほかにグルタチオンやセレンも含まれており、これらも肝臓の解毒機能を強化します。
硫化アリルは、生で食べると効率良く摂取できます。タマネギは、生で食べても加熱して食べても、肝臓に働きかけてくれる優れた野菜であると言えます。ぜひ、毎日の食事で摂りたいものです。