アトピー性皮膚炎の改善を目指すとき、まず目標にしたいのは患部の炎症の状態を少しでも減らして熱や赤みを取り、しつこくくりかえすかゆみを抑えることです。
アトピー性皮膚炎の、赤く熱をもった患部では、傷の周辺の皮膚組織内で、肥満細胞や集まってきた好酸球、好塩基球などの顆粒球が顆粒を吐き出し、その顆粒の働きで皮膚の細胞が障害されています。免疫細胞が、もっている顆粒を細胞外に吐き出すことを「脱顆粒」といいますが、この脱顆粒がアトピーの患部では過剰に起きています。過剰に起きる脱顆粒を抑える作用があるとして、特に注目されているのが植物がもつ栄養成分、ポリフェノールです。ポリフェノールは一般に色素成分であることが多く、色の濃い野菜や果物には多く含まれています。
ポリフェノールにも多くの種類があり、脱顆粒を抑制するポリフェノールについても研究されています。現在までに脱顆粒を抑制するさまざまなポリフェノールが発表されていますが、とくに注目されているのが「ケルセチン」です。
ケルセチンは血管を若返らせる働きでよく取り上げられますが、皮膚の肥満細胞が脱顆粒するのを抑制する働きが強いことでも注目されています。
現にわたし自身、炎症がひどいときにたまたま「玉ねぎの皮茶」を飲んでみたところ、赤みが驚くほど消えて驚いたことがあります。