第5章 2:「食べる」を支え、文明の基礎となった農業

第5章:人間の「食べる」
2:「食べる」を支え、文明の基礎となった農業(1502)
住まいを設け、火を操り、寒さや他の動物たちを遠ざけることに成功したころから、様相は変わってきます。特に火の獲得は大きかったはずです。食糧を加熱して食べることは、栄養となるものを増やしたでしょうし、鮮度がおちたものでも、食べることができるようになりました。
さらに、狩猟や採集のなかで、共生できるものを選ぶ目も養っていたと考えられています。
それは、たとえば、動物のなかで群れで行動するような獲物はまとめて生きたまま捕らえることもあったでしょう。
その中には、ウマやウシ、ヒツジなど、現在の家畜に繋がっていくものもありました。
また採集においても、保存の効くもの、きくないものがあったでしょうし、また保存していたつもりが、栽培することに繋がっていったとも考えられます。
手近なところで、食べ物を確保する知恵がついていくのは、大きな脳を獲得した人類には約束されたことだったのかもしれません。
さらに、サル同様、コロニーを形成する人類は、食べ物の確保によって家族を増やし、団結していったことでしょう。
そうした強固な団結力をもつ集団が各地で成立すりょうになっていったと考えられます。
やがて、大河流域では、乾いた土地でも水をひくことで、多くの収穫を得ることができることを知ります。ありあまる収穫を獲得し、多くの人々が集まってきたでしょう。こうして文明は築かれて行った、と考えられています。
少々の気候変動でも、飢えることがなくなった人類は、いよいよ数を増やして行きます。

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