アトピーの予防にも改善にも重要な洗浄
ご紹介してきたように、アトピーの発症にも悪化にも、雑菌の関与が強く疑われるようになり、アトピーの予防、改善のいずれにも洗浄は重要視されるようになっています。刺激がすくない洗浄剤で、やさしく洗い、雑菌の繁殖をおさえましょう。
ゴシゴシ洗いは禁物。優しく、泡で洗うイメージで。
洗い方についてですが、雑菌の繁殖がカユミの一因と聞いて、見えない菌をやっつけるべく、思わずゴシゴシと洗ってしまう方がいるかもしれません。しかし、これは厳禁です。皮膚を過度に摩擦すれば、皮膚を守る皮膚バリアの成分まで剥がしてしまいますし、下手をすれば皮膚自体も傷つけかねません。洗い過ぎにより皮膚バリアが破壊されると、ただでさえ保水力が弱く乾燥しやすいアトピー肌は、さらに乾燥し、敏感になってしまいます。患部の清潔が大事とはいっても皮膚に必要な要素まで流し去ってしまっては、もともこもありません。あくまでも狙いは汗や傷口に集まる雑菌を流し去ることなのです。
迷う洗浄剤の選び方
ところで、アトピーの洗浄に用いる洗浄剤の選び方にも様々な意見があります。なかでも、「界面活性剤使用の是非」については、私も悩まされました。界面活性剤とは、汚れをおちやすくするための成分で、食器や衣類の洗浄に用いる洗剤にはよく使われています。しかし、この界面活性剤によって、皮膚のバリア機能が壊されたり、また、皮膚を通過して体内への影響もある、と説明する人もいます。一般に、液状の洗浄剤はたいてい界面活性剤が使われていて、殺菌作用を謳う商品も液状のものが大半です。界面活性剤を使っていないものといえば、固形石鹸がありますが、固形石鹸こそ、アルカリ性で弱酸性の皮膚にはよくなく、皮脂膜の貧弱なアトピー肌には使うべきではない、という人もいるのです。
このような洗浄剤をめぐる意見がわかれる一方、洗浄よりもとにかく殺菌が大切だとする意見もあって、皮膚用のイソジンなどを塗布したり、紫外線をあてて殺菌するという方法をすすめる人もいます。
目標は皮膚を清潔にして悪玉菌を排除することなのですが、様々な意見や方法が存在しています。
参考:アトピー考察ノート 第5章:セルフケアに取り組む 4:スキンケア より
アトピーのスキンケアで最も重要なのが洗浄
