細胞の働きを化学反応として説明する分子生物学の発展は、医学だけでなく、生物学全体にも大きな影響を与えました。遺伝子の構造が判明したことは、遺伝のしくみを解き明かし、さらには生物進化の謎についても一定の説明を可能にしています。
一方、細胞のもつ新たな可能性をも導くことになり、究極の医学とも言える不老長寿、すなわち、アンチエイジング分野の研究にも応用されるようになります。
液性と細胞性の二つの免疫系統によるしくみの解明と、分子生物学による新たな見解が合わさったことで、医学は飛躍的に発展します。多くの国が長寿社会を実現している背景には、充実した食糧需給の実現のほかに、こうした医学の発展があることは言うまでもありません。アレルギー医療においてもそうで、この数十年のうちに、臨床の場でも大変な変化が起きています。
異なる分野の発見が合流し、医学の目覚ましい発展を遂げた20世紀
