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アトピー性皮膚炎に関しては、すこし前まで、なるべく薬を使わないで治すべきだ、という人が少なくありませんでした。しかし、現在は、この考え方は少数派になってきています。皮膚免疫のメカニズムが解明されるに従い、炎症や掻破などで傷ついた皮膚組織や細胞はさらに炎症を招く因子を放出し、症状を悪化・拡大させることが分かってきたからです。アトピーの患部も適切な薬剤でできるだけ早く対処することが大切なのです。
しかし、薬を使って一時的に治ったように見えても、すぐに皮膚炎がぶりかえしてしまうことがあります。きれいに治ったように見えたのは表面だけで、内部では炎症物質の供給が止まっていないことが原因です。この内部の炎症物質の供給サイクルが止まらないかぎり、アトピー性皮膚炎はくりかえし起きてしまいます。内部の炎症物質供給サイクルには個人がもつ遺伝的な要素もあるため、完全に根治することができない場合もありますが、減らす作用をもつ栄養素もたくさん見つかっていて、これらを日ごろから利用することで、重症度を下げることができます。