[外来物を殺菌、無害化する最初の関門]
口で咀嚼され飲み込まれた食べ物は、食道を通過し胃へと送り込まれます。胃は食べ物が入ってくると胃液を分泌します。胃液は胃酸や酵素を含んだ強い酸性の消化液で、入ってきた食べ物を溶かします。そして食べ物は柔らかい粥状にされていきます。
胃には食物だけに限らず、口や鼻から取り込まれた花粉やハウスダスト、細菌やウィルスなどの栄養とならないものや有害なものも入ってきます。しかし、胃液に含まれるペプシンというタンパク質分解酵素が花粉やハウスダストなどに含まれるタンパク質を無害化し、また、胃液に含まれる胃酸はPh1~1・5の強酸で、細菌やウィルスなどの微生物もたいてい殺してくれているのです。
胃は体の中に入ってきた不要なものが生き続けないようにするために、最初に用意された関門だといえます。
[強い胃酸こそ免疫の要アトピー体質に見られる胃酸の弱さ]
消化器官であると同時に外来物の侵入を防いでくれている胃は、まさに健康と免疫の要だといえます。そして、その胃の働きは胃液分泌があってこそであり、胃液が効果的に働くためには、そこに含まれる胃酸や酵素が十分であることが重要になってきます。
ところがアトピー症状を持つ人の場合、胃液の働きが弱く、酸性度も低い状態になっている人もいて、これがアトピー性皮膚炎などに繋がっている場合がある、と指摘する専門家もいます。海外のクリニックでは、アトピー性皮膚炎の治療プログラムにサプリメントによる胃酸の補強を組み込むこともあるそうです。 ことがアトピーを持たない人に比べて多く見られるとされています。胃液の酸性度の低さとは、含まれる胃酸の少なさを示します。胃酸が少ない胃液では消化力も殺菌力も低下します。本来行われるはずだった胃での消化や殺菌が不十分になり、この状態が続けば後に続く腸管でも問題が発生しやすくなります。腸管でも消化や殺菌は行われますが、腸管免疫の場でもあるため、これを刺激するような未消化物はできるだけ入れたくないところです。胃酸を十分にし、胃での消化力、殺菌力を上げることが大切です。