アトピー性皮膚炎で代表的なかゆみ物質
アトピー性皮膚炎のセルフケアで、すこしでもかゆみや炎症を抑えたいと思ったら、まずはかゆみや炎症を起こす物質について理解することです。
かゆみを起こす物質については下記のページでも紹介していますが、アトピー性皮膚炎で特に問題になるかゆみ物質についてここでおさらいしておきましょう。
・ヒスタミン
・プロスタグランジン
・ロイコトリエン
・TNF-α
・TSLP
・サブスタンスP
アトピー性皮膚炎の人は、これらのかゆみ物質を多く生成してしまったり、分解しにくい体内環境を持っています。これらの発生経路の阻害や分解経路の促進するための知識を持って生活すると、炎症の拡大をコントロールすることができるようになります。
かゆみ物質をまき散らしやすい体内環境
炎症を起こすヒスタミンや、TNF-αなどの生理物質は、肥満細胞や好塩基球といった免疫細胞のなかに格納されていて、これらの細胞が刺激されることで破裂し、周囲にまき散らされて炎症を起こします。ヒスタミンや、TNF-αを格納しているこれらの免疫細胞を顕微鏡で見ると、粒状のものを含んでいるように見え、破裂するとこれらの粒が飛び出してくることから、「脱顆粒」と呼びます。「脱顆粒」が起きると、その細胞膜からはプロスタグランジン、ロイコトリエンといった脂質系の炎症物質も生成され、炎症を促進します。炎症を抑えようと考えるとき、まずこの脱顆粒が起きないようにすることが先決です。
アトピー性皮膚炎の体内ではこの脱顆粒が起きやすい状態になっています。この状態は、免疫バランスが炎症型に傾いていること、顆粒をもつ細胞を刺激する物質が体内に多く漂っていることなどが挙げられます。